私達

 遂にと言うか、当然と言うか、タミフルに耐性のウイルスが見つかった。インフルエンザくらい、寝て水分を補給すれば治るのに、少しだけ回復が早いと言う理由で、どんどん使われた。メーカーが医者や役人をフル動員して、インフルエンザ恐怖症を作り上げ、患者を消費者にした。インフルエンザは風邪とは違う恐ろしいものと言うキャンペーンが実って、患者は自分で治す気概も失ってタミフルに殺到する。インフルエンザも所詮風邪だ。江戸時代でも明治時代でも治していたし治っていた。平成の世に、何を恐怖心を植えつけているのだろうかと思う。本当に恐ろしいのは、新型のインフルエンザが流行った時に、もう効かない薬になっている事だ。タミフルは世界中の7割が日本で消費されているそうだ。医療の分野で先端を走っていると思いきや、結構無責任なことが行われている。風邪の患者に自動的に抗生物質を出したりして、耐性菌を作っている国も珍しいのだ。医療従事者に良心がないのか、金がほしいのか分からないが、他人や子孫を犠牲にしてまで何故儲ける。 簡便で合理的なことを至上命題にしているととんでもないものを失う。自然治癒力を無視した治療はわずか1日半の快適を得るが、多くの人の人命を失う布石にもなる。会社とか、役人とか、国とかは漠然としていて責任の所在がない。数年したらメンバーが替わってしまっている。何年後かの責任を誰が取れると言うのだろう。だから悪いことがしやすいのだ。私達ではなく、私から始まる言葉を聞きたい。「私達」にはもううんざりだ。