結果

 ある製薬会社から届いた、ドラッグストア向けの雑誌を見ていると、5つの法則で愛される店になれと指導していた。僕のところは昔ながらの薬局だから、関係ないのだが、面白そうなので目を通してみた。僕みたいに行き当りばったりで仕事をしているところと違い、したたかな戦略がある。  これからの時代は購買に関して主導権を握っている女性の信頼を得なければならないらしい。その為に男性と女性の特性を比較をしているのだが、それが面白くてなるほどなあとうならされた。男性と女性の違いを箇条書きにすると、論理と直感、攻撃と防御、結果と過程、明確と曖昧、中心と周辺のように対比されていた。前が男性で後者が女性だ。この差異を商売に応用しろと指導しているのだが、僕は最近気がついていたことを、明文化してもらったようなすがすがしい気分になった。  よく子育てについて、奥さんが主人に怒られているのを耳にする。「おまえの育て方が悪い」「あまやかせたせいだ」子育てにあまりタッチしなかった主人にかぎって口に出す言葉だ。生まれてから恐らく息を継ぐ暇もなく育てなければ、子供は育たない。母親は全精力を子育てに費やす。ところが、うまく行っている時は主人はお零れを頂戴して寛大なのだが、それがいざ自分の予想を下回るような結果を残し出すと、うろたえて奥さんに不満の矛先を向ける。多くの場合、受験に関してが顕著だ。父親の予定以下の受験ならもう奥さんには居場所がない。かりに奥さんが主人より優秀な頭を持っていても悪者になる。  人は誰かを悪者にして攻撃し、やっと精神のバランスを保つ。いつもいい人でおれないから、自分より下を意識的に作り攻撃したり蔑んだりして自分を守る。人が努力した過程など全く排除してたった1つの結論を求める。有名校合格などの高望みがその最たるものかもしれない。自分の頭は棚に上げておいて。  大手ドラッグなどは、単に薬を物のように大量に消費させればいいのだろうと思っていたが、なかなか販売の為に努力をしている。結果だけでなく過程を大切にしている。だから女性にもてるのかもしれない。この雑誌を読んでみて栄町ヤマト薬局の先が思いやられた。