2007-01-21 ひとり尼崎にて エッセイ 僕を見下ろすな都会のビル 口をあけるなマンホール 排出された嫌悪は アスファルトに埋められて 歩道橋の下で笛吹く警察官 幾何学模様の錯乱にやっと酸素を見つけたり 公園の死角で手を差し伸べるな浮浪者達 僕は鳩の餌になって 転がっているのではない 曇天の寒空を眺め 冬の涙が届くかどうか 見届けたいと思っていただけなのだ 砂に覆われた光合成 産み落とされた失望 育まれた絶望 葬列を飲みこむ 排気の爆音 煙突から落下する寒風に やっと酸素を見つけたり