ガス型

過敏性腸症候群のガス型の若い女性を世話させていただいて、完治を目標に出来るところまで来たので彼女の了解をとって、メールをそのまま引用させていただく。ガス型の人は思考の迷路に陥っているので、実際に経験した体験談の方が説得力があるのかもしれないと思ったからだ。彼女の症状はおそらく誰にも負けないくらい壮絶だった。その彼女が治るのだから、誰もが治るチャンスを持っていることを理解してくれれば、彼女が「私の体験談を公表してもいい」といってくれた勇気に報いることが出来る。

10月16日夕方のメール あんなにも普通に歩きたいと願っていた日々がうそのように今この町を何も気にせず歩けていることに普通に驚きました。今日また治っていることを肌で感じました。まだ長い時間同じ場所にいることは無理ですが、短い時間ならバッチリですね。先生のおかげです。何回も後ろをみてにおいを確かめる回数が減りました。まだふきすぎは治らなくて痛いんですけど。まだまだお世話になると思いますがよろしくお願いします。またライブが終わったら報告します。今度後ろに人がいる席なので不安ですが今はゆずを近くで見れるので楽しみではやく土曜日がきてほしいです。今は不安の気持ちの方が2番目になりました。前だったらずっとお腹のことを考えていたと思います。

10月16日夜 今思うと本当にバカらしいエピソードがあるんですけど。においが下の人にいくと思っていたときに本当にイヤだったのでお風呂場の浴槽にいたことがあります。ずっと音を立てないように座っていました。だけど音がそれでも聞こえるので1日でやめたんですけど。あと玄関にガラスの机をおいてまた音を立てないように座っていました。玄関は石でできてるから大丈夫と自分に言い聞かせてました。だけどやっぱり音がするのでやめました。今でも治らないのが夜お風呂に入ることが出来ないです。前入ったとき隣からドンって音がしてから入れなくなりましたね。だから隣の人がいないとき朝に入ります。これも考えすぎなんですけど。

僕は彼女が冷静に回りを分析でき始めたことに驚いた。このことこそ僕がガス型の人に目指しているものかもしれない。外出すらままらなかった女性が、今懸命に失った青春を取り返している。もしあのまま彼女が大人になっても人の目を恐れ、監禁されたような生活をしつづけると仮定したら、どれだけの不幸だろう。これから彼女が接する多くの人の役に立てることを考えると大きな損失でもある。ガス型の人を今まで沢山お世話した。漢方薬だけで治った人もいる。メールや電話を何度もくれて意思の疎通を図った人もいる。訪ねてきて泊まっていった人もいる。自ずと回復の確率に差が出ている。僕は縁ができた過敏性腸症候群の全員を治したいなんて大それた考えを持っている。漢方薬半分、医学的な客観的な判断半分で治ると思っている。最近連続できた人達に教えてもらったその種の掲示板は、治らない理由のオンパレードだった。あんなものを毎日見ていたら治らないに決まっている。一緒に治ろうと前を見ているような振りをして、お互いの足を引っ張っている。過敏性腸症候群は慰めでは治らない。正しい知識が唯一脱出出来る道だと思っている。その為には具体的な日常の出来事をひとつずつ検証しなければならない。その根気強いくり返しこそが解放してくれる。不幸にも事故で手をなくした人が、ないはずの手が痛む。切断痛に苦しむことが出来るのが人間の高度な脳の働きだ。僕はこの切断痛の漢方薬過敏性腸症候群のガス漏れの人に使って治癒の確率を上げてきた。しかし、漢方薬に出来ることは半分だ。後は何度も繰り返すが正しい現状認識。色々な治療で結果が得られず失いかけた信頼を田舎の薬剤師と取るにたらない話をし、一緒に過ごしてみて回復できれば治る。近くの人なら毎日来てもかまわない。遠くの人なら泊りがけでもかまわない。おなかごときで人生を無駄にしないで。