ロザンの宇治原

 僕は漢方講演をするときには必ず自己紹介で「ペ・ヨンジュン」ですと言う。前回の講演に来て下さったある女性が、以来僕の漢方薬を飲んで下さっている。その方が今日も薬を取りに来られて、僕のことを「ロザンの宇治原」に似ていると言われた。僕は何のことか分からなかったが、ロザンと言うのがコンビ名で宇治原というのが、片割れの名前らしい。お嬢さんにも縁あって漢方薬を送っているが、お嬢さんがその宇治原のファンらしくて、僕を似ているといったらしい。どおりでよく漢方薬が効いてくれていると思った。漢方の実力より顔で効くならそれはそれでいい。要は快適に暮らしていただけばそれでいいのだから。さてその宇治原は、京大を8年かかって卒業し、漫才をしているらしい。お母さんが教えてくれた。このあたりはやたらと親近感が持てる。僕も大学では徹底した落ちこぼれだったから。薬大に行ったが出来れば薬剤師以外で生きていきたかった。ドロップアウトする度胸がなかったからここまで薬剤師でやってきたけれど、もうあまりこの肩書にこだわる必要もないだろう。縁あってすれ違う人達にじゃっかんお役に立てるなら、薬剤師だろうが、薬害師だろうが、ヤクザ医師だろうが、吉本だろうが、宇治原だろうが関係ない。今度漢方講演をするときは「こんにちは、ロザンの宇治原です」これで決まり。ところで僕は今までその人物を見たことがない。余程売れていないのだなあ。僕と一緒でそのあたりもまた親近感が持てる。