副産物

 僕が帰ってた頃から栄町ヤマト薬局を利用してくれている人が、今日こんなことを教えてくれた。一ヶ月ほど前に、小学校から呼び出しがあって行って見ると、最近の児童を狙った犯罪から子供たちを守る為に協力して欲しいとのことだった。子供を守る為に地域の老人パワーを結集して欲しいとのことだった。以来、朝と下校時に子供たちについて学校を行き来しているらしい。田舎なのでそんなに危険が潜んでいるようには思わないが、思わぬ副産物があって、親から感謝されているらしい。それは、登下校時のいじめがなくなったそうだ。子供の世界は残酷だから、おとなしい子をターゲットにして登校時からいじめは始まって、学校から帰るときまで続くらしい。それが老人と言えども、他人の目があるので、いじめがぴたっと止まったらしい。登下校時だけかもしれないが、その時間だけでも平穏な気持ちでおられるならいじめられっこにとっては福音だ。  大人の世界を映しているだけの世界なのか、子供独自の世界があるのか分からないが、子供が子供でおられる時間が明らかに短縮しているように思う。色々なことを詰めこんで大人のような子供を作ろうとして、結局はいつまでも子供のような大人しか作れなかったのに。同じ失敗を果たしてどのくらい続け、いつまで傍観しているのだろう。