DRUM TAO

 DRUM TAO の公演に初めて行った。その感想を書こうと思うが、例によって音を言葉で表現するのは素人には至難の業だ。加えてTAOの舞台は視覚に訴えるものが多くて、これまた表現の未熟さを嘆く。
 僕が今まで太鼓の公演に行った回数は、3桁に迫るかもしれない。ひょっとしたら既に越えているかも知れないが、視覚に訴えるものは初めてだ。剣舞を始め、踊りも多いし、映像技術を駆使してのパフォーマンスも見事だった。ややもするとその完成度の高さで、太鼓の音が聞こえないくらいだった。いやいや、今日もまた和太鼓の響きを堪能しにここまでやってきたのだと途中で自分に言い聞かせなければならないくらいだった。
 それでも、そのパフォーマンスに太鼓の技術が遅れているように感じることはなかった。むしろ太鼓の技術もさすが世界を相手に活躍しているくらいで、本物の完成度だ。DRUM TAOの実力が他のプロ集団に比べてどの程度か僕は知らないが、少なくとも今日見た、聴いた太鼓の技術や音を超えているチームをまだ知らない。
 一緒に行ったかの国の女性達も既に数回コンサートに行っているが、さすがにTAO の公演には驚いたみたいで、誰一人居眠りすることもなかったし、4人とも終始前のめりになって聴いていた。拍手のタイミングもよく和太鼓が分かった人のタイミングだったが、万国共通なのかもしれない。
 4人の中の1人が来月3ヶ月の応援を終えて帰国する。その女性は、あたかも日本の思い出を脳裡に焼き付けんとしているかのように力強い拍手をいたるところでしていた。その思い出作りに少しでも貢献したいと始めたおせっかいも、段々エスカレートしてついにTAO まで上り詰めた。これはかの国の若い友人達のおかげだ。