大統領

 日本の医者は放射線で儲けているから言いにくいのか、それとも受験勉強ばかりして常識を身につけていないのか、福島の事故に関してもだんまりを決め込んでいる。もっとも薬剤師はもっとひどいが、そんな中で真剣に心配している医師の記事を読んだ。一瞬にして目を引いたのはその記事のタイトルが、日本の原子力について言い当てていたからだ。僕もずっと感じていたことを、とても簡単なタイトルで言い表してくれていた。「放射能の完全犯罪を許すな」と言うものだ。以下は「未来の福島こども基金」代表の小児科医の黒部信一さんのインタビューの中から拾った言葉。 〇関東以北の子供の健康を案じている。自然の中で食物連鎖を繰り返すたびに動物の体内で放射能は濃縮され、体内にある放射性物質がまるでレントゲンのように四六時中細胞を攻撃する。 〇放射性物質は最近やウイルスと違って化学物質で、免疫システムで殺したり弱めたりすることは出来ない。尿や便で排泄して何とか濃度を減じるしか手はない。 〇101人の乳幼児の尿を紙おむつから摂取して、放射能を調べた。すると37人(36.6%)から放射性セシウムが検出された。「時間の経過で内部被爆が進んでいるとしか解釈出来ません」 〇内部被爆などの低線量被爆による「晩発性障害」は放射能の影響だと認められないケースが多い。喫煙やウイルスの影響と区別がつきかねるからだという。これが放射能で儲け、放射能で海と土地を汚し、放射能で人を追い出し、放射能で仕事を奪ったやつらが詭弁に使う文言だ。体調が悪くても、発ガンしても他の要素でそうなったんでしょうと居直れるのだ。強盗に殺人に、そんな規模ではない犯罪を犯したやつらが、何の罪にも問われない。これを黒部さんは「放射能の完全犯罪を許してはいけません」と言っているのだ。こうなったらもう、次期大統領になるフィリピンの大統領を1ヶ月くらいレンタルで借りるしかない。