維持

 そう言えば昨日のGONNAのコンサートで、僕にとっては珍しいことがあった。コンサートの終盤でちょっとしたイベントが設けられていて全員でじゃんけん大会が行われた。上位4人までに景品が出ると言うことで、結構盛り上がった。どっちか言うとこんなことはして欲しくなくて、1曲でも多く演奏を聴きたい僕としてはしらけた気持ちで参加した。舞台の1人と全員がじゃんけんをするのだが、なんとことごとく僕は勝って、最後の4人に残った。200人くらい聴衆はいたと思うが、舞台に結局上がらされ、4人でじゃんけんをして勝敗を決めることになった。そこまで何回勝ち続けたのか分からないが、舞台で初めて負けた。結局おもちゃのブローチをもらったのだが、じゃんけんで連続して勝つなんてことはありえないことだったので結構その結果には驚いた。ただ、舞台上の演者が次に何を出すかなんとなく分かった。くせみたいなものを瞬時につかんだのかもしれない。ちょっとした功績だったが、舞台上で残り3人の出すものはさっぱり見当が付かなかった。単なる偶然で負けただけだろう。でもこの歳で舞台上の若い和太鼓奏者に呼ばれ、じゃんけんをさせられ、ブローチをもらい、結構恥ずかしかった。でもそのおかげで、コンサートが終わり、かの国の女性達の一緒に写真に写りたいと言う希望をかなえるのが敷居が低くなったのはよかった。新しいメンバーの青年がいわゆるイケメンで、彼女達は演奏が終わるのを楽しみにしていた。何でもいい、来春帰国する女性の思い出をさら1つ作ることが出来た。  これは余談だがもう1つ。彼女達を迎えに行くときに利用した駐車場で清算すると、本来なら100円のお釣りがあればいいのに、なんと300円お釣りがあった。これは天からの贈り物、まじめに生きていたらこんな幸運なこともある。明治時代なら家が建つ。日々懸命に働いているとこんなご褒美がもらえる。あまりの嬉しさにかの国の人たちの昼食をホテルのランチにしたら、明治時代なら大きな工場が建つくらいのお金が飛んでいった。平成の時代なら「腹が(建つ)立つ」くらいのお金だ。時代によって立つものは違うものだ。  こんなたわいもないことで喜ぶことが出来る今の心調と体調を維持したいとつくづく思う。