分類

中国、広州南方医科大学心臓病学部のYuli Huang氏らの脳卒中リスクに関する研究で以下のような結果が得られた。 同氏らは、裁量度および仕事の要求度・心理的負担度に基づいて、仕事を4種類に分類した。

 4分類は、要求度と裁量度がともに低い受動的な仕事(用務員、肉体労働者など) 要求度が低く裁量度は高い低ストレスの仕事(科学者、建築家など) 要求度が高く裁量度は低い高ストレスの仕事(給仕、看護助手、その他サービス業従事者など) 要求度と裁量度がともに高い能動的な仕事(医師、教師、エンジニアなど)

 ストレスの多い仕事―特に、要求は厳しいが裁量権がほとんどない職業に就くと、脳卒中リスクが高まる可能性があるという。高ストレスの仕事をしている人の脳卒中リスクは、低ストレスの仕事の人よりも22%高かった。特に女性ではリスク上昇が大きく、33%も上昇した。

なんとなく結果は素人でも想像できそうな内容だが、僕が興味を惹いたのは、要求度と裁量度というところだ。なんとなくその区分が「分かる分かる」の世界なのだ。世の職業を要求度の高低で分けられるのは寂しいが、現実と言えば現実だ。又裁量がある無しで分けられても納得せざるを得ない。実際には4カ国の人を対象に10万人近くをこの区分けで追跡したらしいが、果たしてそれぞれがどの区分に組み込まれたのか、本人達には知る由もない。ただ、研究者は冷静に一人ひとりを区分けして行ったのだろう。その見えないところでの行為に違和感は感じるが、現実を突きつけられているようでもある。ただ、こんなものを見せられて、他人に要求?期待?もされずに、自分で判断できる範囲も少ない人たちが、脳卒中のリスクが低いからと手放しで喜べるものでもない。  要求度が低く裁量度が高くストレスが少ない職業に科学者や建築家などが含まれるらしいが、なんとも幸せな職業だ。ノーベル賞受賞者が続出しているから、なんとなくあの人たちを想像するが、なるほどと頷ける。隔離された空間で好きなものに何年もの時間を費やせる特殊な仕事だ。ノーベル賞をもらったときに突如と世間に顔を出すが、それまでは恐らくかなり自由に研究していたのだろう。  それに比べ、給仕、看護助手、その他サービス業従事者などは大変だ。自分で自由に出来ないのに要求ばかりされる。血圧も上がるだろう。胃も破れるだろう。免疫も壊れるだろう。  こうしてみると、それぞれがなんとなく自分に合った職業を選択しているのだろうが、何かを犠牲にして、何かをつかむ。まるでエネルギーの保存則が人の生き様にも貫かれているみたいだ。