劣化

 何からこんな映像に行き着いたのか不思議だったが、見るにしたがってわかった。見始めは、ただ現代的な落語だな、そして笑いを取る頻度がとても高い落語家だなと感心していた。ところが話が、なにやら鹿児島の県知事選の話になったり、川内原発の話になったり、福島の話になったりするので、僕が見ていた一連のものと同じ価値観でくくられるものと言うことが分かった。こうした笑いから入って行くのもいいものだと思った。入り口は多いほうがいい。自分に合った入り口しか通れないのだから。  三遊亭歌之助の講演と言う映像を見終えた後、興味が沸いたので、彼の落語をいくつか聴いてみた。現代落語の中では、時に笑いでごまかすことなく、きちんと勇気を持って訴えている場面がある。並のタレントや御用学者は絶対に口にしないことを堂々と喋っている。それによって失うことのわずかなことを知っているのだろう。いわば落語界の古賀さんだ。そう言えば古賀さんのユーチューブを見ていてこの落語家に行き着いたのだ。どの世界でも一人や二人勇気を持っている人間がいるものだが、それこそ一人や二人では多勢に無勢だ。阿呆面を並べているタレントやアホコミや政治屋のなかにきらりと光る者はいない。いやいや寄ってたかって光るものを消しにかかるのがあいつらだ。人間の劣化が何処に行きつくのか知らないが、またまた言う「道連れにしないで」