外圧

 厚生労働省は新年度から、抗不安薬睡眠薬などの向精神薬を数多く処方した場合、診療報酬を原則認めない仕組みを導入することを決めた。薬物依存や重篤な副作用を防ぐ狙いがある。新ルールでは、外来診療で服薬管理などをする際、抗不安薬睡眠薬を3種類以上、または、統合失調症の治療に使われる抗精神病薬か、抗うつ薬を4種類以上、1回で処方した場合、診療報酬を請求できなくし、処方箋料も減額する。また、入院患者に、副作用が少ないとされるタイプの抗精神病薬を処方する場合も、2種類までしか加算できないように改める。抗不安薬睡眠薬としてよく使われるベンゾジアゼピン系の薬剤は、使用し続けると薬物依存になる危険性がある。    僕みたいな人間でもその不自然さには納得がいかなかったのにプロの集団がよくぞ今まで野放しにしていたなと思う。最近、倫理的な問題を起こした会社の外国人社長が「日本の製薬会社は患者の方を見ずに医者の方ばかり見ている」と言っていたが(張本人なのに良く言うと思う)製薬会社どころか政治屋も役人も同じではないか。患者より医者(票)の方ばかり見ているに違いない。だから横流しするのが見え見えでも、何ら対策をうってこなかった。誰も損をしないのだから、問題視する必要がなかったってことだ。  さすがにここに来て規制をし始めた。患者を薬の最終処分場みたいにして自分たちは富を得ていたのだから、恐らくこの規制も不本意だったに違いない。ただ、外国に比べると圧倒的に薬漬けにしているのを隠し通せなくなったのだろう。これ又外圧頼りか。外圧で歪み、外圧で矯正される。3流と呼ばれる所以だろう。漂流する価値感に翻弄される。