個性と言えばそれまでだが、なかなか面白い眼をしている。全くの素人なのに何処でどう観察したのか、発表の場があれば提供したいくらいだ。もっとも、そんな観察力に驚いて感激するのは僕くらいなものだから、3畳ほどの発表の場が確保されれば十分だ。  現代人の、それも若者の足が大きくなっているというのが彼女の研究成果だ。手で自分の目の辺りを示しながら「これくらいの背の人だって、足はこんなに大きいんですよ。なんちゅう足の大きさなんや、言いたくなりますわ。私なんかサイズが23.5なのに、27cmなんてざらですよ」と目を輝かせて言うから説得力がある。  そうしてみると、生きるとか生活するとかが、カメラの3脚をどこに置くかで、なかなか興味深いものになる。他人様を良い意味で観察して、人生を何倍にも豊にすることが出来る。一人の頭や体で得られるものなどしれているから、他人様を利用しない手はない。良いところを出来るだけ多く見て、頂いてしまえばいいのだ。  若いお母さんの目の輝きを見ながら、こうした人達が僕らの世代と同じように、戦争を知らない稀な世代でいてくれたらと思う。我が子を殺し殺されるところに送らない稀な世代であって欲しいと思う。