所有物

 人類はどうして毛皮を脱ぎ捨てて裸の猿になったのだろうかという疑問に、何世紀にも渡って研究者達が挑んでいるが、未だ確かな答えは得られていない。現在、一般的に言われているのが、サバンナの暑い大地に適応するために毛皮を脱ぎ捨てて体温の加熱を防いだと言う仮説だ。しかし、毛皮があった方が発汗冷却効果は大きいという報告もある。しかし人間は他の霊長類に比べて皮下脂肪が発達している。体温を保つ断熱材を持っていると言うことだ。となると、体温の加熱を防ぐ毛皮を脱ぎ捨てたことと、体温を保つ皮下脂肪を獲得したことが矛盾する。 しかし100年くらい前に提唱された、そして黙殺されたアクア説でこの矛盾が見事に解決する。アクア説とは「人類は半水中生活を送ることで直立2足歩行や無毛症を獲得したと言う仮説だ。  干ばつで小さくなった森からサバンナに追われた祖先は、海辺や湖畔に生活の場を求め生活の大半を水の中で過ごす。その結果セイウチのように水の中では邪魔になる体毛を失った。又水の中では2足歩行が楽に出来、泳げない肉食動物から身を守ることも出来た。人が類人猿の中でも分厚い臼歯を持っているのは甲殻類や貝類を食べていたからとも言われている。 黙殺され続けていたアクア説が見直され始めたのは、2002年にチャド湖の湖畔で猿人の化石が発見された事による。

 今日読んだある薬学の情報誌の要約なのだが、まとめるだけで疲れた。内容が面白かったから是非披露したいなと思ったのと、さも定説のように言われているものだって結構怪しいと言うことも言いたかったのだ。福島の事故の後、学者というものが如何にお金に魂を売るものかと言うことも知ったし、最近では1兆円以上も税金を使って飲まされていた薬が怪しげなものだと言うことも知った。僅か3000円を返さなかっただけで1年も法務局へ出張を余儀なくされた僕の知人を基準に考えれば、懲役1万年でも足りない奴らが今でも「立派な人」でい続けられるこの国は、今も昔も所詮富める者達の所有物なのだ。