整合性

 365分の1のありふれた1日が終わり又一つページを捲る。もう何十回も繰り返してきた、そして年ごとに何の意味も持たなくなったページだ。口には「あわただしくて・・・」と出す人はいても、その落ち着きようとどう整合性を保つのだろうと首を傾げる。分業が極度に発達して何もしなくても正月は来て、そして過ぎる。 僕の力ではなく、漢方薬の力を試されるような方が来られた。古人の知恵をまるで奇蹟のように頂いて、その家族が少しでも楽になってくれればと祈らずにはおれない。盆も正月も、まして年の暮れも大晦日もない人達の苦痛が、ほんの1割でも和らいでくれたらと願わずにはおれない。極端な不幸や不運は避けられ救われなければならない。復活のない不幸や不運を誰も背負うべきではない。 シャッターを下ろすためにほんの1分くらい外に出ただけで白衣は冷水に浸けられていたように冷たくなった。その寒空の下、暖をとるこも出来ずに朝を待つ人が沢山いる。法を破ることもせず、不器用に生きてきた先がこれでは悲しすぎる。  行き場のない哀しみや恨みが今夜も又星空の下で凍り付く。