孤独

 孤独はパチンコ屋の台の上で  孤独は薄暗い喫茶店の隅で  言語とか旋律とか色彩とかの  形を借りてうめいてた

 孤独は立ち往生していた  孤独には左右も前後もなかった  脱落した針が刻む時空など  元々あるはずもなかった

 孤独は線路の上を歩く抜け殻  孤独は沈黙の足音  さりげなく通りすぎる歳月は  井戸の底から見上げる絶望