緊急連絡

 いやはや困った。今度の日曜日に、かの国に帰国する女性達をスキーに連れて行こうと色々計画を練っているのだが、最寄り駅に電車で降りてからタクシーがどうやらないみたいだ。インターネットで探してタクシー会社に電話をしたら、2社が既に廃業していた。その事を知らずに電話をすると、本来なら「〇〇です」と最初に返ってくると思うのだが、どちらも無言だった。慌ててこちらが名乗らないといけないし、〇〇タクシーさんですねと確かめないといけなかった。なんて気まずい電話だろうと不愉快だったが、駅からスキー場まで僕の車では行けそうにないから、頼らざるを得なかった。  智頭急行の特急電車が止まる大原駅にはタクシー会社があるみたいだが、そこからだと結構な距離がある。車にめっぽう弱いかの国の人たちがもつ距離ではない。スキー場に着くまでどのような道を走るのか分からないが、結構拷問に近い苦痛を与えてしまうかもしれない。最寄り駅のあわくら温泉駅からだと随分と近くなるのだが残念だ。  勿論帰りは時間を約束して迎えに来て貰わなければならない。スキー場にお昼ごろ着くが、その後2時間過ごすか3時間過ごすかで迷っている。息子が先日ある南の国の人達を蒜山に連れて行ったら、滞在15分で帰ると言い出したらしいから僕も予断を許さない。まして携帯電話を僕は持っていないから、迎えの時間を約束しておかなければならない。融通は全く利かないのだ。こうなればやはり緊急時の連絡方法は、糸電話か、鳩の足に伝言をくくりつけて放すか、のろしを上げるしかない。白いのろしなら2時の迎え、黒いのろしなら3時だ。