芝居

 生鮮食品からとって、加工食品はとらない。いやいやどちらもとる。毎日うっとうしい映像を見せられる。選挙目当てのやつらが顔をしばしば出すから、僕はチャンネルを変えるのが忙しい。  自分達の権力を手放したくないから、無知な国民狙いの大根役者が臭い芝居をする。どうせどこかでよい目をさせられれば、どこかでそれに見合うものをとられる。自分達が無駄遣いして積み重ねた借金の穴埋めを庶民から、何食わぬ顔をして巻き上げるのだからやりたい放題だ。皮肉にも、それを許す下層階級の人間が多いのだからうんざりして怒ることすら忘れてしまう。  もうこれ以上作って欲しいものなどないのではないか。庶民が造って欲しいものって何なのだろう。道も橋もトンネルもこれ以上いらない。高校も大学もこれ以上いらない。食べ物も飲み物もこれ以上いらない。くいだらないテレビ番組も、くだらない週刊誌もこれ以上いらない。国を守るといいながら実は自分達を守っている戦車や戦闘機はもうこれ以上いらない。日本を守るといいながら、自分達が世界に物を売り込むための保障として駐屯している米軍などもうこれ以上いらない。世界中で何億の人間が今日も飢えているのに、沖縄に娯楽施設などもういらない。ましてそれが、沖縄の人たちを蔑んでいるアホノミクスたちの浅はかな企みだから、絶対いらない。  僕は何処に行くのも基本的には手ぶらだ。こんなに自由なことはない。ただ、何も持たないように暮らしてきたはずなのに、意思に反して物が増えた。その分不自由になった。どうせ最期は手ぶらなのだから、ゆっくり確実に周りから片付けようと思う。さてその時は物か心か、どちらから捨てて行こう。