沸点

 水を差すのは盛り上がっている途中だろう。まだ演技が始まってもいないのに延々と自慢たらたらではうんざりする。言葉の分からないかの国の女性たちですら「何やら偉そうなお婆さんが自慢話を続けている」と感じたのだろう不快な表情を隠さなかった。言葉が分かる僕など沸点に達しかけていた。  第19回日本太鼓全国フェスティバルが昨日倉敷の芸文館で開催された。6月にチケットを買って楽しみにしていたのだが、30分近く開会の挨拶をやられたのではたまったものではない。なにやらコンサートが太鼓の財団法人主催と言うことを延々と喋ったのだが、会長と言うオバアサンの偉そうな人を見下したようなしゃべり方が鼻についた。話の全てに拒否感を持ったが圧巻は、子供の太鼓の練習にモチベーションを与えるために賞を設けようと言うことで「無い核葬儀大臣賞」なるものを設けることが出来たと自慢たらたらだったが、よくもまあ、原発が安全だとか、沖縄の海を埋めるだとか、アメリカの手先に成り下がって自衛隊員を死なせるとか言えるやつの名前を使うことを誇らしく言えるものだと思ったが、ここもまたアホノミクスのお友達の世界なのだろう。所詮秘書くらいな仕事しかしたことが無い天才バカボンに良くぞついていける政治屋ばかりだとうんざりする。  肝心の太鼓についてはさすが遠くからやってくるだけあって、各チームの実力はもろに感じた。特に山形県の太鼓道場「風の会」と宮崎県の橘太鼓「響座」のジュニアの演奏はすごかった。おとなしい岡山県の観客もさすがに光る演技の時には拍手を送っていた。僕はそれこそ声援を送っていたのだが、素晴らしい演奏に対する感謝の気持ちを込めている。ただそれがなかなか分かってもらえなくて、浮きまくっていたとは思うが、僕の声援で演奏に乗ってくれればいいなあと期待を込めている。  オバアサンの怒り心頭演説を払拭してくれた各チームの演者にお礼を言う。