弱気

 この果てしない倦怠感は何だろう。昨日、朝起きたときから調子は悪かった。肩や首の辺りがガチガチで、首から上が妙にほてっていた。昼が近づいた頃からその倦怠感は耐え難いものになり、生あくびどころか背中がぞくぞくするようになった。最初は、日曜日の午前中に笠岡のベイファームにとんぼ返りでポピーを見に行ったのが原因だと思った。とんぼ返りと言っても花大好き人間のベトナム人が一緒だから2時間は写真を取り捲っていた。その間僕は薬学の小難しい雑誌を炎天下で読んでいたから紫外線にやられたのだろうと思っていた。午後は牛窓の春祭りで、お接待のために少しは動いたが、これは妻や近所の女性やベトナム人たちが活躍してくれたから、そんなにダメージはなかった。日曜日の疲れが水曜日に出るほどまだ僕は老いていないような気がしたが、妻はそれが原因だと断言していた。
 僕は薬を作るためにほとんど立ち続けているが、昨日は辛抱ができなかった。そこでみんなには迷惑をかけるが、無理をして長期に休むことになってはだめだと思い、2階に上がり布団を敷いて眠った。すると昼寝など大の苦手の僕だが、すぐに眠りに落ちた。ただ、そうしていても相談電話などがかかり、階下に降りて行かざるを得ないこともあった。そのうち背中がゾクゾクしていることに気がついて、栄養剤のほかに風邪薬を飲んだ。すると幾分ゾクゾクは減ったが、動悸がしていることにも気がついた。こうなれば自律神経がかき乱されているってことだから、ついでに自律神経の漢方薬も1服作って飲んだ。するとしばらくして拍動が穏やかになってきた。外から心臓の動きが見えるのではないかと言うくらい激しく心臓が打っていたが、おとなしくなった。その頃から次第に、あの果てしない倦怠感が去り始めた。
 結局今日は、いつものペースで倦怠感もなく仕事ができたのだが、いったい昨日は何だったのかと思う。自分で感じるままに漢方薬を作って飲んだのだからはっきりと何だったとは言えないが、ひとつだけはっきりしている。僕の健康などガラスでできたようなもので、いつ何時簡単にひびが入ったり、割れたりするか分からないレベルのものだ。結局僕が飲んだのは、ある栄養剤2本、牛黄製剤、風邪薬、自律神経の漢方薬だ。このすべてが役になったのか、そのうちのどれかが貢献してくれたのか分からないが、今日はいつものペースで働くことができている。
 人様の役に立ちたいと言うモチベーションはまだ十分あるが、どうも年相応と言うのが苦手らしくて、今日は凝りもせず、再来週の日曜日に、ベトナム人をどこに連れて行ってやろうかなどと考えていた。来週はすでに福山のバラ祭りに9人連れて行くことになっているもので。
 毎日が弱気との戦い、そう表現したくなるような今日この頃だ。