京大

 京都大学総長の山極壽一と言う人がどこかで講演した録音を朝のNHKの番組で放送していた。ウォーキング中の放送なので、最初は興味はなかったのだが、ものの数分もしたら話に引き込まれていた。メモでも取れる状態だったらよかったのにと後悔するくらい面白かった。印象に残った話の羅列に過ぎないが披露する。  霊長類の研究を彼がするのは、人間を研究する為なのだそうだ。まさか700万年前の人間のことを調べることが出来ないから、人間と同じ種で分化したサルやチンパンジーを調べるらしい。化石以外当時を伝えるものはないのだから、当時からほとんど進化をしていないそれらを調べるのは納得がいく。  サルと言う生き物は最初から強い弱いが決まっているらしい。だから強いものが弱いものを目で威嚇すると弱いものは目をそらすらしい。そうして争いを避けるという知恵が備わっているらしい。人間でも時々眼をつける人がいるが、サルと同じで威嚇しているのだ。ただサルはそれで争いを避けるのだけれど、人間はむしろそれで暴力を振るう。だからサル以下の馬鹿が多いってことだ。(これは僕のコメント。京大の総長がこんな下品なことを言う筈がない)一方ゴリラは負けず嫌いで謝らないらしい。これだと争いになる。ところがゴリラの世界には仲裁役がちゃんといるらしい。それは子供だったり異性だったりするらしいが、ゴリラの世界はちゃんと争いを起こさせないシステムを持っている。ゴリラには仲裁役がいるから至近距離で顔をお互い見つめあうことが出来る。顔を見つめ合うことが威嚇にはならないのだ。サルとは大違いで、人間はやはりゴリラに近いらしい。ところで白目があるのは人間だけらしくて、だからこそ相手の表情が読めるらしい。それはそうかもしれない、白目がなければどちらを見ているかすら分からない。サルやゴリラを見ていてなんとなく違和感があったのは、白目がないから表情を読み取れなかったからかもしれない。納得。  本当はもっともっと沢山興味深いことを言っていて、とても勉強になったのだが、とてもここで要約できるほど簡単なものではない。先生の本を買って読むしかない。それか京大に入って直接講義を受けるかだ。20年くらい浪人すれば僕でも入れたかもしれない。