教職

 ほぼ完治ですね、おめでとう。一生付き合っていくものと決めていたらしいけれど、結構、過敏性腸症候群もパニックも治るものでしょう。僕の立場で言うと、巷で言われているほど特別なものではないのです。いつの頃からか治らないものという風評が広がって、薬を依頼してくる時点で治らないと決めている人が多く、戸惑っています。でも200数十人がもう完治して自由に暮らしていますから、僕自身は治るものと逆に決めつけています。 あなたがご主人の反対にもかかわらず、こんな田舎の薬局を信じてくれたことに感謝します。聞けばあなたも四国の小さな島育ち。一気に僕も親近感を持ちました。あなたの出身を聞いてすぐに、アンジェラアキの「手紙」?って唄を思い出しました。あなたの出身の県の小さな島の中学生が、NHKのコンクールに出場する過程をドキュメンタリーで追っていたものです。同じ瀬戸内海に面する町で暮らしたもの同志の勝手な連帯感です。 今まであなたが飲んでいた精神安定剤や胃腸の薬に僕は疑問を持っているのです。僕の所に来る人全員がその種の薬を飲み続けています。でも僕はあなたを含めて、ほとんどの過敏性腸症候群の人が病気とは思えないのです。単なる「まじめ過ぎ病」「頑張りすぎ病」にしか思えないのです。胃腸科にかかれば胃腸病、心療内科にかかれば鬱病社会不安障害などの病名をもらいます。病名をもらったときから病人なのです。僕は600人の人と今まで知り合いになりました。でも彼ら彼女らが病気とは決して思えないのです。僕はあなたもその他の人もただ元気にしてあげただけです。心も身体も元気になって克服できない病気?なんかありません。  僕の言う、青春の落とし穴に落ちる人は繊細で素敵な方ばかりです。そんな人が理不尽な悩みを一生抱えるのは気の毒です。そしてまるで病人のように扱われて次第に自信を喪失していくのを見るのもつらいです。恐らくあなたも驚くほど僕に品がなくて大丈夫かと二の足を踏んだと思いますが、今まで知識や品で人を治せたことがないのでこれからもこのまま変わらず泥臭く人の世話をしていきます。素敵な人達が病人にならないために。 あなたが仕事に就いたばかりか、外食まで楽しんでいるだなんて、僕にとっては最高のプレゼントです。伊予かんは頂かなくても構いません。その代わりもっともっと幸せになって、失われた数年間を倍返しで取りかえして下さい。教職にもう一度チャレンジしたら?