僕にとってその人は、何十年も全く気配のない人だった。目が覚めると丁度布団の中から額縁に納められた端正な顔をした白黒の写真が見えた。何故かしら見ようが見まいが丁度視線の先に毎朝必ず現れた。 僕は物心付かないうちから母の里に預けられることが多か…
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