関節

「指の関節がポキポキ鳴る理由を、放射線科医らが明らかにした。」なんてタイトルの文章が医学情報として送られてくるから、どうでもいいことを、本気になって考える人がいるんだと興味本位で読んでみると、素人にはまるで想像がつかないことが原因なんだと思った。やはり目を通してみる価値はある。なんでもないことを難しく言うのが学者かもしれないが、素人には到底行き着くことが出来ない領域だから、それに触れるのは価値がある  特に後半の、指を鳴らすことが気分の高揚に役立つと言うところが納得だ。だから多くの人がやるのだ。もし気持ちがよくないならあんなことをするはずがない。ただ、僕は男がやるのはよく見るが、女性が指を鳴らすのを見た事がない。その理由は残念ながら解き明かされていなかったみたいだ。  どうでもいいが、知っていればちょっと物知りになれる文章を勝手に要約したから披露する。    米カリフォルニア大学デイビス校ヘルスシステム放射線医学教授のRobert Boutin氏によると、指を鳴らすとき、関節内では気泡が形成され、それにより超音波画像では「関節内で花火が破裂するような」明るい閃光がみえるという。しかし、関節の音がこの泡のはじける音なのか、それとも泡が形成される音なのかについては、これまで見解が一致していなかった。今回の研究では、超音波画像と音声をあわせて確認した結果、「どのケースでも、気泡が形成されることによる閃光がみえる前に音が聞こえた。関節の音は、泡がはじける音ではなく、泡が形成される音である」とBoutin氏は述べている。音が聞こえてから閃光がみえるまでの間隔はわずか10ミリ秒という。「関節音については以前からいくつかの説があり、相当の議論がされてきたが、われわれは、音と閃光が関節内の気泡による圧力の動的変化に関連するものだと確信している」とBoutin氏は話す。米マサチューセッツ総合病院(ボストン)のWilliam Palmer氏によると、この気泡は関節の潤滑液に溶け込んでいる気体から生成されるものだという。指を伸ばすことで陰圧が生じるために、泡が生じる。たくさんの微小な気泡が一気に融合して1つの大きな泡となることで音が発生すると、Boutin氏は説明している。さらに、整形外科医による診察の結果、被験者らが指関節を鳴らしたことによる有害な影響はないとみられ、鳴らさない人に比較して腫れや握力の低下は認められなかった。また、指を鳴らした後は関節の可動域が著明に増加する傾向がみられ、「指を鳴らすと気分がよいのはそのためだと考えられる。これは関節液に溶け込んだ気体による張力が軽減された感覚だ」と、Boutin氏は指摘している。