報酬

今日、僕は何人の人に同じ言葉をかけただろう。直接目の前で、電話で、メールで。僕の仕事が偏っているとは思わないのだが、その言葉をかけなければならない人が実際には多いのかもしれない。何でも屋を目指してはいるのだけれど。  相談にやってくる方の話を聞いていて「がんばらないことは、ひょっとしたらがんばることより難しいのではないか?」と感じることが多い。僕の薬局の特性か、そういった人がこの国全体で増えているのかわからないが、「少し手を抜いたら」と言う助言ではなんら解決しない人が多い。むしろ症状を悪化させてしまいそうだ。がんばって、がんばって、体調崩した人に休養が必要なことはわかるのだけれど、休養なんてイライラしてそれこそ体調を悪くしてしまう人が多い。だから僕は、そういった人にがんばらないことを要求しない。がんばることが一番心地よい人たちにとって、そのがんばれる理由を作ることを手伝いたいと思っている。多くの人が過重な労働を強いられてまいってしまっているのだが、その労働が出来る体力を補ってあげれば、心の薬以上に心が強くなることを経験している。  この国の馬鹿為政者や経営者たちが泣いて喜びそうな気質を実は多くの国民が持っている。がんばることこそが一番幸せな心の状態なのだから。ただその挙句の結果は、自分のためにまず利用して欲しいし。まず自分が有形無形の報酬を受けることが必要だ。そうしたら心を病まされる人間がもっと減る。