全く幸せな猫だ。商工会の信頼すべき男性から紹介されて税理士さんを半年前から変わったのだが、その方の奥さんが大の猫好きらしい。元々好きだった人が当事者の猫を拾ったのか、拾って育てたことによって猫好きになったのか分からないが、とにかく幸せな猫なのだ。全く猫などに関心のない僕からしたら異常な世界なのだが、猫好きの人にとってみれば当たり前の行為なのかもしれない。  猫の世界にもエイズが蔓延していて、その猫もエイズにかかったらしい。動物好きの妻と話しているのを調剤室から聞いているだけだが、症状も人間のものと結構似ている。奥さんがインターネットで調べた情報で飲ませたいものを取りに来てくれるので、僕は言うがまま薬を量るだけなのだが、間接的に僕が勉強させてもらっているようなものだ。次第に色々なものが揃って、最近では、僕が癌の方に良く出すものに似てきた。猫は体重が少ないから、人間ほどの量が必要でなく、金額も人間の10分の1ほどですむが、うらやましいほど身体によいものを飲んでいることになる。食べれるようになったと喜んで、オシッコが出るようになったと喜んで、外に遊びに出るようになったと喜んで、又その逆で心配して・・・。その猫を長男と呼びお子さんの序列の頭に置いている。  猫には引っかかれ、犬には噛まれ、幼いときの記憶はなかなか消せない。どちらも好きにはなれなかったが、犬に関しては15年近く一緒に暮らしたから今は克服できた。トラウマを最終的に克服するには、体力と気力を充実させて、再度それに接近しなければならない。1歩ずつ近づいて最終的にそれに触れれば克服できる。犬や猫なら一生避けていればすむが、自分の行動を縛るものなら逃げ続けることは出来ない。スーパーの野菜売り場に山積みにされている臆病を一つずつ買い物かごに移さない限り、晴れ渡った空の下には出ることが出来ないのだ。

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