夜回り先生

 東海地方に住んでいるある女性が、今、奇跡的な過敏性腸症候群からの脱出をしている。彼女が治れば、いやもうかなり完治が見えてきたのだが、全国で何十万人もの同類の悩みの人を救うことが出来るだろう。僕が送っているのは切断痛の煎じ薬だけなのだが、嘗ての彼女と現在の彼女は天と地の差がある。いずれ完治したら彼女の言葉で過敏性腸症候群は治るということをアピールしてもらいたい。  彼女が今夜、夜回り先生として有名な水谷先生の講演にいき、先生と話をした上に、サインまでもらってきたそうだ。電話で教えてくれた。嘗ての彼女なら、この中の行為の全部出来なかったのではないかと思う。聴衆の中に入り、講演者と直接話しをし、サインまでもらう。白紙のキャンパスの上に今彼女は猛烈な筆さばきで青春を描いている。水谷先生は彼女の話を聞いて、僕と同じ答えをしてくれたそうだ。「それでいいんだよ」と。同じ答えと言っても僕のは一寸違う。僕はいつも彼女に答えている「いーじゃん、いーじゃん」と。この品のなさはなになのだ。