問屋

 僕が漢方薬を始めたとき、漢方薬仕入れた最初の問屋さんが最近倒産したそうだ。今日取引のある別の問屋さんから聞いた。理由は分からないが、漢方を扱う薬局が少なくなったのだろうか。  教えてくれた問屋さんは医療雑貨の分野なのだが、数品の品物が生産中止、あるいは生産調整中だという。介護などで日常よく用いられている物なので、消費者も困るし、問屋さんも仕事にならない。理由は、石油の値上がりや、中国の生産コストが上がってきたことなどらしい。  何かが、いやいや何かと言うほど漠然とした物ではない。はっきりと経済は歯車を狂わしている。外貨が有り余っていることを理由に欲しい物は何でもいつでも好きなだけ手にはいった時代は恐らく過ぎ去ったのではないかと思う。経済については全く知識がないから、さしずめ街角ウォッチャーくらいの感覚的なことしか言えないが、庶民にとっては明らかに経済は、良くない方向に循環している。手が届かない物が増える、それも必需品みたいな物でさえ、手に入らなくなるのではないか。豊かな時代は完全に去りつつあると思う。  強い国の強い人たちの投機の為に、庶民の生活が脅かされる。指導者が見上げるのではなく下を見る賢明さが無いと滅んでしまいそうな庶民の生活だ。