人口

 55年には、2.5人に1人が65歳以上の老人らしい。40年先に急に変わるわけではないから、徐々に進行しているのは恐らく誰もが体感しているのではないかと思う。田舎ではもう充分40年後を実現しているところもいっぱいあるから、想像できない光景ではなく、日常のありふれた光景なのだ。  老人がうようよしている光景ではない。比率が多いだけで、人の数が圧倒的に減っている状態を想像したらわかりやすい。消費しないから、物をどんどん生産することもなく、資源は節約され、田も畑も山に帰る。手入れされない山や水田は災害をせき止める自然のダムにはならないから、下流も含めて壊滅的な天災に襲われる。今の限界集落が山村だけでなく平野部でも広がる。助け合う心はあっても体がついていかない。体がついていかないから、争いはなくなるかもしれない。まして外国に攻めていくようなことは出来なくなるだろう。都会の朝を鶏が告げるのか、ロボットが告げるのか分からないが、為政者は確かな計算をし、落ちこぼれる人たちが出ないように近未来に軟着陸させて欲しい。生きること、生活することが苦行のような時代にならないことを望む。生きることよりビルの屋上から飛び降りる方が救いだなんて世の中であってはいけない。