老化

 医療ジャーナリストの田辺功氏によると「日本では高齢者に出される薬に不要なものが多く、医師も薬のことを知らずに処方していて乱用とも言える」と言い、その一例としてタミフルは世界の7割、睡眠薬ハルシオンは4割、高血圧の薬も4割という例を挙げている。  なるほどと頷けることは日常業務の中でしばしば遭遇する。これだけ沢山の薬を自分の家族だったら飲ますことが出来るのだろうかというような量を平気でどの患者にも書いてくる年配の医師がいる。それをありがたがる患者が、特に老人の患者がいるので、結構流行っているから皮肉なものだ。元は税金だという意識は全くない。潤う人ばかりだからなかなかそのシステムは崩壊しない。  そもそも病気は治るが老化は薬では治らない。病気と老化の区別を何処でつけるのだろう。欲張りな人は老化を自助努力しないで治そうとするがそんなもの薬で治るわけがない。骨がすかすかになり筋力が落ちれば、熱量は作れないからあらゆる日常の行動が制限される。そんなもの運動して筋力を復活させるしか方法はない。孤独な報われることの少ない作業だがそれ以外に方法はない。  タミフルを飲む変わりに寝ていればいいし、睡眠薬を飲む変わりに、昼寝を止めて働けばいいし、高血圧の薬を飲む前に塩分を減らし良く歩けばいい。こうすれば誰も儲からないが無駄な税金の使い道は減る。体にもいいし、国の財布にも良い。誰かが旨く交通整理しないと、私欲のために医療が施され、私欲のために医療を受けることになる。若い世代にはたまったものではない。将来国の借金だけがたまったものなど、これ又たまったものではない。