不老長寿

 医師から処方してもらった薬を勝手に止めた経験のある割合は6割を超えるらしい。抗生物質などは耐性菌が発生するから勝手に止めないでと啓蒙しているらしい。風邪などで必要のない抗生物質を出し続けたから、そちらの方も問題だと思うのだが。  漢方薬の場合その点は気が楽だ。命に関わることで漢方薬を飲んだりしないから、勝手に止めればいい。特に僕の漢方なんかいつもそう言っている。良くなれば止め、悪くなれば始める。その繰り返しだろう。  若いときはともかく、年齢と共に病気か老化か分からなくなる。病気なら治さなければならないが、老化なら諦めなければならない。この判断というか決意というかが難しい。長生きは不調との戦いでもある。健康になれていた分、不調は耐え難い。庶民はマイケルジャクソンほどの資財も執着もないから、ダラダラと坂を下っていかなければならない。それこそ終着駅に向かって。  政治の世界も経済の世界も、不老長寿をもたらしてくれるのかと思ったら、不良長寿ばかりで、若者もえらい迷惑だ。せめて健康面だけでも圧倒的な優位に立って人生を謳歌して欲しい。