正月

 やればできるものだ。勝手に想像していた重さより、肩から掛けた紐と両腕で支えたら、意外と重たく感じなかった。ただ、体を傷めては連休明けの仕事に差し障るから、恐る恐る草刈り機を始動した。
 嘗て悲惨な事故もあったせいで安全装置が施されていて、手が離れれば即座にモーターが止まる。ある人に危険と言う概念を植え付けられていたから、そちらの先入観も働いて、より草刈り機アレルギーになっていたのだと思う。
 短い時間使で何となくコツがわかってきて、面白くなった。ただ、きれいには刈れない。まさに虎刈りだ。刈った草を熊手で集めると、残っている草のほうが多い。特に今一番勢いがある草がスギナだから、草刈り機に押し倒されて地面に横たわり生き延びる。凛と立っている草は餌食になりやすいが、地面から生えた柳みたいなスギナは、上手に力を削ぐ。
 結局刈っては集めるを朝から何度か繰り返した。あまり根を詰めてするとどこかの筋肉が悲鳴を上げるから、30分くらいを限度にした。今のところ体に異常はないから、昨日車窓から見つけた草刈に励む人たちの仲間入りができたかもしれない。僕にとって彼らは元気を体現して生き証人みたいなものだったから、今日の経験は嬉しい。
 連休と言ってもどこにも行かないのだから、時間を持て余すだけだ。降ってわいた小さな、それでいて結構不安だった体験が、何もしない苦手な時間から僕を救ってくれた。年に2回も正月はいらない。

 

憲法記念日に各党が談話発表。自民党はトンチンカン、維新と国民民主はクソ。立憲民主党はお上品、れいわ新選組は過激に面白い。作家今一生さんと一月万冊 - YouTube