身軽

 することがないからテレビを見ていたら、京アクセサリーと言うタイトルの番組を「犬あっち行けい」がやっていた。
 京都は、職人たちにより多くの技術が伝承されていて、独特な文化が栄えている。それは映像を見ても、訪れてもうなづける。単語が難しくて具体的にはあげれないが、例えば、色彩鮮やかな貝殻を1mmの厚さに切り取り、それで色々なものに紋様を付けていくような作業が紹介されていたが、時代に合わせてアクセサリーや装飾品に利用され販路を広げている。
 何種類かの伝統工芸を紹介していたが、それに僕が興味を持ったのではない。アクセサリーは勿論、小物と言われるものを、僕は一つも?持っていないことに気が付いた。もし財布が小物なら唯一の小物だが、持っているのは財布と警察でもらったすぐに破れるビニール製の免許証入れだけ。
 身に着けるものなど持ったことはない。腕時計すら50年持っていないのだから、必需品以外持つようなタイプではない。旅行や勉強会で他県を訪ねても、何かを買って持ち帰るような経験は記憶にない。行きも帰りも常に手ぶらなのだから。
 番組を見ていて思わず「よかった」と口に出したのは、僕には処分しなければならないものがほとんどないと言うことだ。現役で着ている衣服、靴、スリッパ。金がなかったから本はほとんど角川文庫、ギターに・・・・もうない、これだけだ。
 この歳になってもまだ、次々に与えられる命題の答えを探す作業に専念しているから、思い出もほとんどない。心のどこかにしまっているのだろうが、ほとんど引き出すことはない。
 これだけ生きていると分かったのは自分の非力だから未練もない。何気なく見た一つの番組が幸運にも自分の身軽さを教えてくれた。

 

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