農業

 東京に接している県なのに「農業をしている?」遠く岡山辺りから関東を見ていると、どこでも都会のように見えるし聞こえる。ただこの若い女性は若干なまっている。その訛りを聞いてどこの方と当てれるほど、岡山は東日本に近くない。
 漢方薬のいつも通りの注文だから、体調変化の話をすべきだが、9割がた、その農業について話した。僕は彼女が農業をしていることがなぜかとてもうれしかったのだ。そして、農地の広さを教えてくれた時、「20町」に圧倒された。と言うのが、このあたりの大百姓の基準は「町」と言う単位で農地の広さを表すかどうかだから。それを20と言う数字で表現したのだから驚いて当たり前だ。1町が3000坪だからしめて6万坪。いったい視覚的にはどのくらいの広さなのだろう。それこそ想像がつかない。
 この広さで、ある野菜をハウスで育てているらしい。当然家族だけではできなくて多くのパートさんをお願いしているらしい。いわばもう企業だ。そして彼女自身半年間休んでいないらしい。どのように作物を回しているのかわからないが、絶え間ない出荷が企業としては求められるだろう。
 そのハードな日常を体調を維持しながら過ごすのはとてつもない気力体力が必要だろう。農業が好きと言う彼女の天職になればいいなと思いながら、若きお百姓の純朴な笑い声で曇天の空に、光が降り注ぐ大きな穴が空くのを見た。

 

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