未練

 未練たらっしいが、暇に任せてフェリーについて調べた。毎月のように乗っていた高松行のフェリーが廃止されてから一度も船に乗っていない。
 塩でべたっとした風や、お腹に響くエンジン音、すべてが懐かしい。高松に降り立って特別血沸き肉躍るようなことがなくても、港の音楽ホールが見えたり高層ホテルが出迎えてくれたりすると、日常からの束の間の解放に筋肉を緩ませていた。
 今日発見したのは、牛窓から30分で行ける日生と言うところから小豆島にフェリーが出ていること。最近僕が早朝魚を買いに行っている市場近くに、確かにフェリー乗り場を案内するような看板が立っていた。その場所からわずか数キロメートルだったと思う。
 日生からは漢方薬を取りに来てくれる人が多いくらいだから、思い立ったらすぐにでも出かけられる距離だ。田舎に向かって走る感じで、行くのも簡単だ。これは天からの贈り物。
 インターネットでフェリーが着く町について調べた。これが問題だ。わざわざコンビニも食べる所もないと案内が出ていた。日生から便利がいいのだろう、小豆島随一の町、土庄町から10数キロも離れているのに
 これではコロナが終わってからベトナム人を連れて行っても喜ばれないだろう。嫌なものは嫌の大陸の人間を満足させるのは意外と難しく、次を見つけなければならない。それともかつてのように小さな一人旅を楽しむかだ。

 

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