国家予算

緑豊かな環境は脳卒中の発症リスク低下と関連

 

近隣に緑が豊富であればあるほど、脳卒中の発症リスクは低下するという研究結果が報告された。米マイアミ大学ミラー医学部のWilliam Aitken氏らによるこの研究結果は、国際脳卒中学会で発表された。
緑が最も多い地域に住む人は、最も少ない地域に住む人と比べて、脳卒中の発症リスクが全体で20%低かった。
Aitken氏は、「全体としては、緑には注目すべき、明らかな効果がある」として、「緑の最も多い地域に住む人と比べた、緑の最も少ない地域に住んでいる人の脳卒中の発症リスク増加は、糖尿病の発症による脳卒中の発症リスク増加に匹敵するレベルのものかもしれない」と推定している。

 糖尿病の方の実年齢は、プラス10歳と考えればいいと以前教えてもらったことがある。糖尿病でないことに匹敵するくらいのことが、単に緑の多いところで暮らすだけで手に入るのだから、これは大きい。
 いつのころからだろう、急に今住んでいる牛窓の空気が好きになりだしたのは。山の緑や鳥の姿や鳴き声、太陽を反射してまぶしい海面などが、自分でも不思議なくらいいとおしくなった。
 ちょうど50年前、名古屋の薬科大学と岐阜の薬科大学のどちらに行こうか迷ったのだが、決めたのは大学ではなくアパートだった。名古屋は住宅街の狭い路地に面していて、周りがすべて小さいアパートばかりだった。
 岐阜は小川が流れ、田んぼがあり、そんな中に立っているアパートだった。それを確かめて即決めた。都会へのあこがれというのは僕にはなかったような気がする。高校3年間と、浪人の1年を、岡山の後楽園近くの下宿で過ごしたから、地方都市という田舎者の僕には少し都会、でも自然もいっぱいあるところという共通点もあったのかもしれない。
 自然をめでるようになったのは、最近のような気がする。ひたすら働いた時期は、薬局の中にこもっていたから、家から出ない日も多かった。冒頭に紹介した理論の恩恵は当時は受けていなかったように思うが、このところの恩恵はそれらをカバーしてくれるくらいだと思う。
 あの丘も、あの島も、あの海も、あの鳥も、あの魚も、国家予算全部使っても作ることはできない。僕らはそんな滅茶苦茶高いところに住んでいる。

 

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