出稼ぎ

武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)は言う。
「消毒や手洗いだけではコロナを防ぐことはできません。ワクチンなしで五輪を開催することは、医学的には武器なしで戦争するのと同じ。それでも政治的な判断で五輪を開催し、国民の命を危険にさらすのであれば、五輪のコロナ対策が失敗した場合は内閣総辞職をして責任をとるべきです」まさかの“ノーガード戦法”で挑む五輪はどうなるのか。英国在住のジャーナリストはこう語る。「英国ではすでに国民の4割近くがワクチンを打っているのに、五輪開催国の日本でまだ本格的な接種が始まってすらいないなんて信じられない。本当に大丈夫ですか……」国際社会からドン引きされる結果にならなければよいのだが。
週刊朝日  2021年4月2日号

「武器なしで戦争するのと同じ」とはうまい表現をするものだ。ただ、戦前の軍部だったらいとも簡単にその戦法を取った。槍で飛行機を落としたり、回転魚雷で敵艦に体当たりさせるのだから、自分や家族、あるいは同じ支配者階級の子弟が死ななければ、農家の次男や三男が死ぬことなど何ともない。病気でもない人間が死ぬと言うことがどれだけ苦しいか考えてもみないだろう。
 現代の回転魚雷、特攻はさしずめワクチンなしのコロナらしい。その目的が「五輪と言う名の、お仲間たちの金儲け」なのだから、庶民がコロナにかかって死のうが後遺症が残ろうが知ったことではない。掃いて捨てるほど部品(人間)はあるのだから。
 コロナの前から感じていたが、コロナで確信を持った。ワクチンも作れない情けない国。インドや中国にも劣る国。かつての栄光にしがみついている有権者を、煙に巻いて命を長らえる政治屋ども。みんなで経済も心も貧しくなり、アジアに出稼ぎに行こう。