奇跡

 2月以来だから7か月ぶりになる。ダメもとでインターネットで和太鼓の演奏会を探していたら、なんと数日後に香川県で開催されるのを知った。これまたダメもとでチケットを問い合わせたら、残っていた。コロナ対策で入場者を半分にすると載っていたので見込みはないとあきらめていたが、むしろコロナで敬遠した人が多かったのかもしれない。
 有難いことにコンサートは香川県でも、いやいや日本全国でもトップクラスの子供の和太鼓チーム「夢幻の会」のp演奏会に、愛知県を本拠地とする「志多ら」が応援出場すると言う僕には最高の設定だった。
 そちらの演奏会ももう10年以上機会あるごとに聴きに行っている。夢幻の会は多くの大人のチームより上手と確信が持てる。子供でもここまでできるのかというのを毎回感心しながら聴かせてもらっている。
 今日気が付いたことがある。10年以上前に見た感動がそれこそ毎回繰り返されるのだ。というのは全員が主役級の腕で太鼓をたたくのだが、そして本当にかわいい幼稚園児か小学低学年の男女が一人ずつまるで踊るようにしてチャンパを奏でるのだが、10数年同じ子供が演奏しているがごとく再現されるのだ。今年は質が落ちたなどと感じたことがない。10数年通っているのだから、それぞれの子が成長しているはずで、あるものはすでにプロとして志多らのメンバーになっている。幼い子も高校生になっている。チャンパを奏でていた幼子も太鼓のうち手として活躍している。僕が今日思ったのは「まるでクローン」だってことだ。それは姿形ではなく、技術が全く性格に受け継がれているのだ。太鼓が好きな大人と太鼓が好きな子供が出会ったときに生まれる奇跡だ。