伝道

 以下の研究結果はアメリカのものだから必ずしも日本人にそのまま当てはまらないかもしれないが、他の多くの研究結果を信じて、これを信じないと言うのはあり得ない。

死亡リスクと関連する社会的および行動的要因のうち、最も密接な関連を示したのは、喫煙、離婚歴、アルコール乱用歴であったことが、「Proceedings of the National Academy of Sciences」6月22日オンライン版に発表された研究論文で明らかにされた。
 ブリティッシュコロンビア大学(カナダ)のキネシオロジーのEli Puterman氏らは、米スタンフォード大学などの研究者たちとの協力のもと、社会的、心理的、経済的、行動的要因に焦点を合わせて、死亡との関連を探った。
 その結果、死亡リスクと密接に関連している要因として、関連性の強い順に、以下のものが確認された:現在の喫煙習慣、離婚歴、アルコール乱用歴、最近の経済的苦境、失業歴、過去の喫煙歴、低い生活満足度、未婚、補助的栄養支援プログラム(フードスタンプ)の利用、悲観的な感情状態(人生のネガティブな面ばかりを見たり感じたりする傾向)。
 今回の研究について、研究論文の筆頭著者であるPuterman氏は「この研究は、健康と死亡との関係について真に理解するには、生涯というスパンでアプローチする必要があることを示している」と述べている。

 職業柄多くの方を見てきたが、なるほどとうなづける項目は多い。ただし、ここに列挙していることを免れている人は本当にまれだと思う。生涯と言うスパンで考えるべきと言う研究者の提言だから、ほとんどの人がいくつかの項目は経験している。ただし、人にはその命に影響を与える経験さえ中和してしまう能力も備わっていて、プラスマイナスゼロどころかプラスに転じる能力も持っている。
 意外と順位が低かった「悲観的な感情状態」だから、これを楽天的な思考に変えても死亡するリスクはそんなに改善されないみたいだ。僕はトップに来る条件かと思っていたが意外だった。
青春時代の悩みや苦悩を慰められていた加川良の「伝道」と言う歌の歌詞
悲しい時にゃ 悲しみなさい 気にすることじゃ ありません あなたの だいじな 命に かかわることも あるまいし そうです それが 運命でしょう 気にすることじゃ ありません 生まれて 死ぬまで つきまとうのは 悩みというものだけなのですよ
なぜ彼はあの若さで逝ったのだ。自分の生き方が、命にかかわってしまったのではないか?