門前町

 今までに10回くらいは行ったことがある金毘羅山だが、昨日の参拝が今までで一番良かった。理由は想像がつくと思うが、人がとても少なくて、ひょっとしたら地元の人たちだけかと間違うほどの数だった。犬を連れての参拝などは明らかに地元の方だろう。数組会った。ワンちゃんも人の足ばかりを見て歩くのも大変だから、さぞ昨日は心地よかったのではないか。石段のど真ん中で飼い主に甘えて休憩している光景などは、コロナがもたらしてくれたものだろう。
 外国人を連れて行きながら言うのはおかしいが、3人アジアの人間にあっただけで、欧米の人には会わなかった。きっと地元の企業で働いている人たちだろう。
 そこで誰もが思うのかもしれないが、今こそ京都などはねらい目なのだろう。日本語を聞くことの方が珍しい京都の観光地から、外国人が消えたとしたら、どんなに京都の町の本来の姿を堪能できるだろう。道路が人で見えなくなるほどの混雑ぶりを何年も味わせられたから、一度つじつまを合わせて、静かな観光を弁償してもらいたいものだ。
 金毘羅さんの参道は両側に昔からのお土産物屋が連なる。途中改装をしていないだろうなと言うような店舗もいくつも見ることができて、それがかえっていい。ただこれもコロナの影響でシャッターを下ろしている店が3分の1ほどあったと思う。まったく僕らと異なるジャンルだから、金毘羅さんがお客さんを集めてくれるのだから楽だろうなといつも思っていたが、結構門前町の商売も危ないものだと知った。僕の薬局も門前でなくてよかった。自尊心が邪魔して、それだけは耐えれないことが分かっていたから。