連帯感

 島根 鳥取 岡山 香川、この4つの県はコロナの感染者が出ていなかった。なぜだかわからないが、田舎ってことかなくらいに考えていた。なかなか田舎も安全で住み心地がいいものだと、喜ばしい日々を送っていた。多くの県民が同じような感覚に陥っていたのではないだろうか。無意識の連帯感もあり、その4県出身のセールスなどが来ると一緒に喜んでいた。
 島根、鳥取はなかなか訪ねることができないが、香川県は瀬戸内の牛窓町からはとても近くて便利だ。だからしばしば僕は訪ねる。そうした中でついに香川県も感染者が今日出たみたいだ。まさに、暖かくなったから、香川県の花でも見にベトナム人を連れて行こうかなどと考えていた矢先だった。そしてその目当ては、いろいろな観光要素が整っている丸亀市だったのだが、まさにその丸亀市で感染者が出たらしい。
 これで毎年恒例の城まつりもなくなるかもしれない。城を見上げながら和太鼓の演奏を聴くのは趣があり、小さなタイムスリップも経験できる。ベトナム人達には格安で着物を着てもらるし、急な坂を上った後に見ることもできる瀬戸大橋もなかなかの見ごたえだ。10年以上続けてきた接待も今年はできなくなるかもしれない。こうしてみると彼女たちをもてなすことで、この年齢では考えられないくらい行動的だったのかもしれない。本来の僕なら、しないはずのことばかり挑戦してきたのだから。情けは人の為ならずとはよく言ったもので、身に余るお返しをもらっているのだろう。