腸内細菌

 コーヒーを摂取すると、腸内細菌叢のバランスが改善する可能性があることが、米ベイラー医科大学消化器内科准教授のLi Jiao氏らが行った研究で明らかになった。近年では、カフェインを摂取すると2型糖尿病や一部のがん、パーキンソン病などのさまざまな疾患の発症リスクが低減するとの研究結果が報告されている。一方で、カフェイン摂取は腸内細菌叢の組成を変える可能性があり、疾患リスクや健康全体に影響するというエビデンスが蓄積している。
 研究では、34人の参加者から採取した97カ所の生検サンプルを分析。その結果、過去1年間にコーヒーを1日2杯以上飲んでいた人は、それ以下か全く飲まなかった人と比べて腸内細菌叢のバランスが優れていたことが分かった。
  Jiao氏は「1日1~2杯のコーヒーは安全で、健康に保護効果をもたらす可能性がある。コーヒーが好きなら、我慢せずに楽しんで欲しい」と付け加えている。
 腸内環境を整えることが健康維持に重要であるという説は、科学者の間で確信に変わりつつある。例えば、脂肪と加工食品が多い西洋型の食事を取る人では、肥満やインスリン抵抗性、心血管疾患などとの関連が指摘される悪玉菌の有毒成分であるエンドトキシンが多い傾向がみられる。一方で、コーヒーに含まれるポリフェノールや他の抗酸化物質、植物性食品に自然に含まれている化合物は、より健康的な腸内細菌叢と関連する可能性が高いことが示唆されているという。

 もうこれだけコーヒーに好意的な研究発表が続くと、安心して飲める。別に不安に思いながら飲んでいたわけではないが、さすがに3杯目くらいになると自律神経が少し乱される感があって、軽い動悸やのぼせや吐き気などが襲ってくることもあった。どちらかと言うと2杯目までは心地よく、3杯目は必要にかられてという範疇だった。その心地よい範囲で腸内細菌のバランスが整えられるのだったら、怪しげなサプリや、わざわざ薬など飲む必要はない。美味しくコーヒーをただ頂いていればいいのだ。思えば学生時代からコーヒーは欠かさなかった。喫茶店で飲むという習慣は牛窓に帰ってきてから完全になくなったが、インスタントコーヒーで十分満足しているのだから問題はない。考えてみればすこぶる安くて、すこぶる美味しくて、すこぶる健康によいとなると、これに肩を並べるものはそうはないのではないか。おまけに多くの人に愛されるという極め付けまで備えている。