青天の霹靂

 すでに病院や薬局で胃薬を回収しますといわれた人も多いと思う。胃酸分泌を抑制する薬だから、胃酸過多や潰瘍、逆流性胃腸炎、痛み止めで胃が悪くなるのを防ぐなどで、よく使われてきた薬だ。歴史も長いから一体どのくらいの方が飲んでいただろうと思う。それがある日を突然、回収すると言うのだから青天の霹靂だ。おまけに回収のために病院に行く交通費まで支払うと言うのだから尋常ではない。これはただ事ではないと思っていたら、原薬から発がん性物質が検出されたらしい。なんと、胃を治すために毎日毎日発がん物質を体内に取り込んでいたと言うのだ。これはたまらない。取り返しはつかない。新たに受診する費用や交通費も出すと言うのは当然で、賠償してもらいたい人もいるだろう。いずれそうした人が裁判を起こすかどうか分からないが、おそらく日本人特有の泣き寝入りで収まるのだろう。
 今回のことで思うのは、超微量の発がん物質混入でこれだけのことをする会社があるのに、全世界に放射能をばら撒いた盗電がなんら罪に問われないし、まだ幹部や誘致に奔走した痔見ん党や地方議会議員たちがぬくぬくと暮らしている。よくもかの地の人たちは我慢していると思う。胃薬に混入した物質の何百万倍も危険だと思うのだが。


今回の問題は、海外においてザンタックで基準値を上回る発がん性物質N-ニトロソジメチルアミン(NDMA)が検出されたことで発覚した。その後、厚労省の指示で全メーカーに対して調査を要請。後発メーカーは、NDMAの検出有無を問わず、相次いで「クラスⅠ(その製品の使用等が、重篤健康被害又は死亡の原因となり得る状況)」で全ロットの回収に踏み切った。