分業

 かつての経験を生かさない手はない。こんなこともあるだろうと思って持っていった薬学の雑誌を1冊読み終えることができた。それでも30分くらいは時間を無駄に過ごしたから、次回は2冊持っていくことにする。
 3ヶ月の応援部隊が今週帰国するから、希望の姫路城を案内した。案内と言うより、入場チケットを買ったところでひとまず分かれた。と言うのはもう何回も城の中に入っているので、敢えて又入る価値を自分では見出されない。だとするとその時間を有効に使うのにはこの方法がいちばんいい。木陰ができるのは予想通りだったので、意外と苦痛ではなかった。むしろ、城まで急ぐ外国人観光客のほうが、へたり気味だった。肌を露出しすぎだろうと言う姿を見かけたが、あれだけ太陽の光を浴びればしんどいに決まっている。紫外線のダメージを知らないのだろうか。
 1時間半ほど僕は姫路城の庭園付近にいたことになるが、一つ発見した。それは何回か数えておけばよかったと思うほど、パトカーと救急車のサイレンを聞いたのだ。牛窓で聞くその音の1か月分以上をわずか1時間半の間に聞いた。どれだけ事件や事故が起こる街なのだろうと思った。確かに兵庫県の西部ではいちばん大きな街なのだろうけれど、大都会ではない。人口に比例して色々な出来事が起こるのは理解できるが、鳴りっぱなしとは言わないが、何度も何度も聞こえた。
 姫路の街特有のものか、偶然暑さのせいで救急車のお世話にならなければならなかった人が増えたのかわからないが、少なくともあの時間多くの人が警察官や消防士の人に世話になった。観光客が大挙してやってくる休日の街で治安を守り、命を守る。見事な分業だ。