頻度

 日本人の一般集団では、日常生活の中で笑う頻度が高いほど全死亡率や心血管疾患の発症率が低い可能性があることが、山形大学医学部看護学科教授の櫻田香氏らの検討で分かった。心筋梗塞脳卒中を減らし、早期死亡リスクを低減するためには、日常生活でもっと笑う機会を持つことが鍵となる可能性があるという。
 これまでの研究で、ポジティブな心理的要因は長寿と関連するのに対し、抑うつや不安、心理的苦痛といったネガティブな要因は心筋梗塞脳卒中などの心血管疾患の発症につながる可能性が示唆されている。櫻田氏らは、心理的要因のうち「笑い」に着目。山形県の一般住民を対象に、毎日の生活の中で笑う頻度と死亡率および心血管疾患の発症率との関連について前向き研究を実施した。
参加者には、毎日どのくらい笑う機会があるかを尋ね、その頻度で3つの群「週1回以上」「週1回未満~月1回以上」「月1回未満」に分けて比較検討した。
 年齢や性、高血圧、喫煙や飲酒の習慣で調整したCox比例ハザードモデル分析の結果、週1回以上笑う人と比べて、笑う頻度が月1回未満の人では死亡リスクが約2倍に高まることが分かった。同様に、週1回以上笑う人と比べて、その頻度が週1回未満~月1回以上の人では心血管疾患の発症リスクは約1.6倍であった。
  櫻田氏らの検討では、特に男性や飲酒の習慣がある人、糖尿病患者、運動不足の人、配偶者がいない人で笑う頻度が低かったという。今回の結果を踏まえ、同氏らは「日本人の一般集団では、“笑い”は全死亡や心血管疾患発症の独立したリスク因子である可能性が示された。心血管疾患を減らし、長寿を目指すには、日常生活でもっと笑う機会を持つ工夫が必要かもしれない」と述べている。

 目新しい知見のようには思えないが、この文章の中で僕がいちばん興味を持ったのは、笑う頻度の設定だ。「週1回以上」「週1回未満~月1回以上」「月1回未満」こんな大雑把な区切りで結果の信頼性が得られるのだろうか。僕の常識では「週1回以上」実際は2回、いや7回でもほとんど笑わない範疇に入ってしまうのだが。これで笑う人に分類されるなら、ヤマト薬局を利用する笑わない人でも、よく笑う人に分類されてしまう。もし僕の薬局で笑う人を区分しろと言われたら、薬局にいる間に数十回笑う人になってしまう。僕は笑わない人でも、薬局にいる間にできるだけ笑ってもらうようにするから5回やそこらほとんどの人が笑う。40年薬局をやっているが本当に片手も笑わなかった人は、それこそ片手もいないだろう。
 と言うことは、僕の薬局を利用する人は死亡率や心血管疾患の発症率が低いと言うことになる。道理で病院にはめったにかからず、かかっても飲む薬は極端に少なく、最後の最後にやっと施設に入る人が多い。どうやらこれは僕の漢方薬の力ではなく、「板切れ一枚下は地獄」の日々を送っている漁師たちが緊張感を解くために交わすギャグだらけの会話の中で育ったおかげかもしれない。
 ただ、ひとつ気になる事がある。それは、この研究が笑った人のものであって、笑わせた人のものでないことだ。だが、僕は一緒に笑うから、この対象の中に入れてもいいのかもしれない。