不始末

 2011年の東京電力福島第1原発事故後、韓国が福島など8県産の水産物輸入を禁止している問題で、世界貿易機関の最終審に当たる上級委員会は11日、禁輸を「不当」とみなした紛争処理小委員会(一審に相当)の判断を取り消し、事実上、日本の逆転敗訴とした。禁輸は継続される公算が大きく、被災地の早期復興を目指す日本は厳しい対応を迫られる。韓国と同様に輸入規制を続ける中国など他の国・地域の今後の対応にも影響を与えそうだ。日本政府関係者は「我が国の主張が認められず遺憾」としている。韓国が輸入を禁じているのは、青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、千葉各県の水産物。このほか、わずかでも放射性物質が検出された食品については、追加検査を求めている。 

 もしこれが韓国で原発事故があったとしたら、日本は同じ立場を取るだろう。立場を変えてみれば韓国などがすこぶる全うな態度をとっていることがわかる。もし逆の立場で日本政府が韓国の放射性物質が含まれる危険があるものを輸入しようとしたら、国民から支持を失うだろう。森友や加計に国の金を使ったことでは怒ることもできないこの国の人間でも、さすがにわが胃袋に放射性物質を入れる勇気はないだろう。
 ついにおおっぴらにアジアの国の人たちに除染作業をさせるそうだ。これでピンはねはやりたい放題だ。放射能と言う言葉すら理解しているかどうかの人間たち、元々金のためならめっぽう働く人たちだから、自分の肺や胃袋まで動員して除染してくれるだろう。いっぱい放射性物質や金をためた後帰国する時には、望まれぬ細胞が芽を出すだろう。若くて元気が裏目に出る。異国の不始末に、わが命を短くすることでどうして貢献しなければならないだろう。
 やりたい放題も極まれり。かつて戦争では田舎の百姓の子供たちが殺され、今又放射性物質でアジアの若者が殺される。いい目はいつも権力を握っているやつらとそのパトロンだ。それでいいのか。