歳相応

○○さんへ

今日作って送りました。
心配してくれてありがとう。
体調が悪くて返事ができなかったのではありません。忙しすぎて完全には粉せられないのです。
ゆっくりとしたスピードで充実していたころが懐かしいです。
おそらく多くの薬局が廃業して残った僕のところに相談が集中しているのだと思います。
実際に牛窓に来てくれる人の距離がどんどん延びていて、車で2時間くらいの人も結構います。
意地でも効かせないと気の毒ですからプレッシャーはありますが、やりがいでもあります。
さて体調のことですが、歳相応になってきて、いいところを探すほうが難しいいです。
僕は検診などというものは受けるタイプではなく、予防もしないし節制もしないのですが、
昨年息子に言われて受けた検診でしっかり怪しげなものが見つかって、それ以来は正体不明のものと同居です。
病気になって見つかったのではないから、息子は喜べといいますが、そんなにうれしいとは思いません。
むしろ何も知らなくて好き放題し、行き詰ったら頑張るというタイプですから、なんとなく毎日が窮屈です。
来月のその日を境に暮らしぶりは変わるかもしれませんし、同じように惰性で暮らすかもしれません。
どちらにしても僕らの世代で希望などというものがあるわけではありません。
苦痛でなければありがたい、そんなところでしょう。
あなたの年齢を見て驚きました。初めて飛行機でたずねてきてくださったとき、あなたは僕の都会に対するイメージを変えてくれました。
こんなに素朴な方もいるのだと安堵しました、あなたの職場での姿、機上から撮ってくださった富士山の写真、どちらも大切に保存しています。
僕の薬局人生でいい時代だったのかもしれません。
まさかこの年齢で、人生で一番肉体的に働いているなんて。
全身麻酔で1秒で眠りに入った瞬間が、僕は2度経験しましたが、至福のときに思えました。

ヤマト薬局