第10回児島湾干拓 和太鼓フェスティバル

 今日、第10回目となる「児島湾干拓 和太鼓フェスティバル」に行ってきた。素人和太鼓評論家の僕が感じたことあれこれ。
 今日唯一の後悔が、最初に舞台に上がった「豊洲如水太鼓」の確か3人の若い女性だけで演奏した2番目の曲だったと思うのだが、その曲に関すること。その曲はかなり完成度が高かった。僕は大勢で始まった第一曲目の印象があったから、その流れで聴いてしまったのだが、実は曲もよく、腕もかなりのもので、いわゆる聴かせどころがしっかりとしていた。僕は正直迷ったのだ。僕は感動したら歓声か指笛でそれを演奏者に伝えるようにしているのだが、この女性3人にも送ってよかったと後悔した。この文章を書いている今でも是非感動を伝えるべきだったと後悔している。是非あの曲を大切にして欲しい。豊洲如水太鼓の出演するコンサートでは毎回披露して欲しい。あの曲目当てでコンサートに足を運ぶ人が出てきても不思議ではないレベルのものだから。
 次は茶屋町鬼太鼓。全員が鬼の面と服装で固めるのだから、外国人は釘付けになる。おまけに、太鼓を打つ腕も安定しているから、安心してエンターテインメントを楽しむことが出来る。演奏が終わっても面をとることがないから分からなかったが、フィナーレの合同演奏の時に面を取って現れて驚いた。若い人が多い、それも社会人くらいの若者が多かった。これはどのチームにもない現象だ。どういう理由であれだけ若い人が集まっているのか分からないが、チームに希望がある。それと蛇足だが、演奏中に家内安全、魔除厄除のひょうたんが10個鬼によって観客席で配られたのだが、最初の1個を僕に配ってくれた。人一倍、和太鼓の演奏を楽しんでいるのが分かってくれたのか鬼は席まで来て明らかに僕を選んでくれた。ひょうたんを1回振り願い事を言うとかなうのだそうだ。家に帰って早速お願いした。
 3つ目はやはり和太鼓 風人。このチームには恐らくコアなファンがいて、演奏する前からの期待感が違う。風人のコンサートでは必ず演奏の前に拍手が起こる。これが圧倒的に他のチームとは違う。その理由は恐らく、豊洲如水太鼓について書いた中で言及したように「聴きたい曲」があるからだ。実は和太鼓で聴きたい曲があるのは珍しいことだと思う。多くのプロ集団があるが、果たしてある特定の曲目当てでコンサートに行っているだろうか。僕はかなりの有名プロ集団にも最近は足を運んでいるが、聴きたい曲と言えるものにはまだお目にかかっていない。それが風人にはあるのだ。「天翔ける」と言う曲で、これを聴けなかった時の風人出演は落胆が大きい。もっとも演奏者たちは自分の中のマンネリ化を防ぎたい気持ちが働くだろうが、聴く側としては好きな曲は100回でも聴きたいのだ。こうした僕の気持ちを共有している人が風人ファンには多いのだと思う。
 最後の「早島イ草太鼓」はある一人の若い女性が突出した腕と楽しませる才能を持ち合わせていて、多くのメンバーが彼女を中心にしてチームを作り出そうとしていることで結束しているように見えた。僕はそれでいいと思う。彼女のソロは他のチームにも負けない。観客を楽しませるその笑顔は県内随一かもしれない。彼女を引き立てながらチームがまとまり皆が上手になってきている、そんな印象をもった。
 拙文で申し訳ないが、すべての出演者に感謝の一日だった。