孤軍奮闘

 出来るわけないじゃろう。パソコン関連では100%依存している漢方問屋の専務さんでもなかなか出来なかったのに。ましていつもの事だが、どうして大企業のお客さん相談室はこうも電話に出ないのだろう。録音された女性の声が延々と続き、結局専務さんは40分待ってくれてようやく係りの人につながった。貴重な時間をただ電話を待つだけに使わせて申し訳ない。電話口にいる人間の心など、録音された声を延々と流すことの出来る企業にとっては想像出来ないのだろう。僕にとってはクロネコヤマト、お前もかと言う心境だ。
 毎日クロネコヤマト漢方薬を届けているが、その送り状の印刷様式が11月から変るらしい。あまり理解はしていないのだが、今までパソコンの中にインストールされたものから、どこかのサーバーにあるソフトにシフトするらしい。何でそれが改善になるのかよく分からないが、要は今のままでは僕のパソコンからは送り状を印刷できないってことだ。それでは僕は多いに困る。そこでその作業をやってもらうために急遽専務さんを呼んだのだ。勿論彼なら確実に出来るし、事実やってもらった。僕はクロネコヤマトの所長から「皆自分でやられていますよ」と言われていたから、専務さんならすぐ出来ると思っていたが、いろいろなクロネコの不親切な改訂のために結構戸惑ったらしい。そして彼が言った言葉は「簡単ではないですよ」だった。
 僕みたいな機械音痴が全国には一杯いると思うが、僕みたいに助けてくれる人がいるのはまだいいが、孤軍奮闘している人も多いのではないか。便利と不便が背中合わせ世代には「うっとうしいことじゃ」