幼稚

 今朝、隣にある、寮として貸し出している家の庭を見に行った。と言うのは、昨日、一昨日遊びに来ていた若い友人が、時間を見つけて、釜を持って出かけたからだ。草が身の丈近く生えているのを僕が嘆いているのを聞いていたが、実際草を刈ってくれるとは思わなかった。そもそも釜の使い方を知らない人が今では圧倒的なはずだから、たくましく見えた。
 8人、かの国の女性達が住んでいるが、どうもその女性達は、落ち葉や草で庭の雰囲気が壊れることには関心が向かないらしくて、作物を作ることだけに熱心だ。ただし、自分達が植えた野菜も草に隠れて見えやしないが、あまり気にならないらしい。日本人とは明らかに美的感覚は違う。
 この一角の草を刈ってくれたのだとすぐに分かる場所があった。と言うのは、かの国の女性たちが植えた野菜の周りの草が綺麗に刈られていて、猫の額ほどの畑が現れていた。意外と野菜がしっかりと育っていて、その一角はなんだか綺麗に見えた。友人の努力を、好意を、かの国の女性達はどう受け止めるのだろう。
 日本の若い女性達に比べて決して引けをとらない、むしろ勝っている部分が多いと日ごろ感じているが、僕の友人の前ではまだまだ幼稚に見える。奥ゆかしさとでも表現すべき行いが出来る人の前では、未熟に見える。